6月28日年間第13主日
赤波江神父の黙想のヒント

 「私の弟子だという理由で、この小さな者の一人に冷たい水一杯でも飲ませてくれる人は、必ずその報いを受ける」(マタイ10:42)

 日本には「おもてなし」という伝統があります。客をあたたかく迎え、細かい気配りで相手にゆっくりくつろいでいただく伝統です。でも聖書もまた、いやむしろ聖書こそこのもてなしを大切なテーマとして扱っているのですね。今日の第一朗読列王記でも預言者エリシャは一人の婦人にもてなしを受けました。その他エリシャの師エリヤもサレプタの婦人のもてなしを受け(列王記上17:8-24)、アブラハムは見知らぬ3人の旅人をもてなし(創世記18:1-10)、エマオへの道で2人の弟子も見知らぬ旅人をもてなしました(ルカ24:13-35)。そしてこのもてなしの話に共通することは、もてなした人には必ず恵みがもたらされるということなのですね。

 今日の福音のみ言葉「私の弟子だという理由で、この小さな者に冷たい水一杯でも飲ませてくれる人は、必ずその報いを受ける」エリシャをもてなした婦人とアブラハムには後に子どもが授けられ、エリヤをもてなした婦人には尽きることのない食料と死んだ子ども命が再び与えられ、見知らぬ旅人をもてなしたエマオの2人の弟子には、その旅人が復活したイエスであることを理解する信仰の目が与えられました。教会の伝統的でも、例えばベネディクト会系の修道会では「旅人が来たらキリストと思ってもてなしなさい」という規則があります。

 今週も皆さんにいい出会いがありますように。そして出会った一人一人の中にイエスがおられますように。さあ、今週も出会いの旅に出かけましょう。

      (赤波江 豊 神父)

今日の福音朗読

東京大司教区年間第13主日ミサ配信2020年6月27日18時

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