8月16日年間第20主日
赤波江神父の黙想のヒント

マタイ15:21-28

 「主よ、ダビデの子よ、私を憐れんでください。娘が悪霊にひどく苦しめられています」悪霊に苦しめられているのは娘です。しかし「私を憐れんでください」と叫ぶのは母親です。というのは子どもの苦しみは親の苦しみだからです。これが心ある親の本当の姿です。とは言っても今日の話は少し分かりにくいですね。救いはイスラエルからというイエスの宣教理念の上でカナン人の母親の信仰を試します。イエスはついに懇願し続ける母親の願いに感心し「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように」と言われ、そのとき、娘はいやされました。イエスは決して「私が癒してあげよう」とは言わず、「あなたの願いどおりになるように」と言いました。福音書の中でもよくイエスは病気の人を救ったとき、「あなたの信仰があなたを救った」とか「あなたが信じたとおりになるように」と言いました。

 何人かの看護師や医師から言われたことがあります。薬が患者を治すのではない。薬は痛みを緩和したり悪い細胞を破壊するだけで、患者が自分で自分を治すのだと。即ち、人間には本来精神的にも肉体的にも自然治癒力が備わっています。例えば以前精神的にひどく落ち込んでいたが、あるいは以前痛い所があったが、気が付いたらいつの間にか治っていたというふうに。薬などはその自然治癒力を引き出すよう条件を整えるにすぎないのです。実際癌などで医師から治るのが非常に難しいと診断されたのに、いや自分は必ず治るのだと信じて本当に治った人を何人も知っています。この自然治癒力を高める免疫力が希望で、イエスは神的な力で希望を与え自然治癒力を高めた。これが奇跡と言えるのではないでしょうか。

 私たちには自分では想像もできないような偉大な生命力と神的エネルギーが本来与えられています。私たちには奇跡を行う力が備わっているのですね。ただそれを知らないか、信じていないか、信じようとしないかだけではないでしょうか。

 マルコ福音書の中に次の言葉があります。「祈り求めるものはすべて既に得られたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになる」(マルコ11:24)

 人間は自分が信じた通りになります。自分が不幸だと思えば、あっという間にそうなってしまいます。自分が幸せだと思えば、必ずそうなります。皆さんはどう信じたいですか。

      (赤波江 豊 神父)

今日の福音朗読

東京大司教区聖母被昇天ミサ配信2020年8月15日18時

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