11月8日年間第32主日
赤波江神父の黙想のヒント

 「目を覚ましていなさい。」(マタイ25:13)

 今日の福音は5人の賢いおとめと5人の愚かなおとめの話で、賢いおとめはともし火とともに油を用意し、愚かなおとめはともし火はあったが油を用意していなかった話で、福音書は真の賢さとは常に油を用意していることだと伝えています。常に油を用意していれば火によってすぐ周りが明るくなる。火は聖霊を意味します。では私たちにとって常に用意していなければならないこの油とは何なのでしょうか。

 このヒントが第二朗読使徒パウロのテサロニケの教会への手紙に記されています。「兄弟たち、既に眠りについた人たちについては、希望をもたない他の人々のように嘆き悲しまないために、ぜひ次のことを知っておいてほしい。イエスが死んで復活されたと私たちは信じています。」まさに私たちが常に携えていなければならない油とはパウロが言うこの希望なのですね。希望という油があれば聖霊の働きに対してすぐ答えることができます。

 しかし皆さんの中には希望と言われてもピンとこない、今の難しい生活状況のなかで希望なんかもてない、と思っておられる方もいるかも知れません。そのような人たちのために感謝日記をお勧めします。私たちの毎日の生活はだいたい同じようなことの繰り返しで平凡単調に見えます。でも平凡に見えても毎日必ず何か小さないいこと、嬉しいことがあるはずです。それを日記に書いてみてください。何でもいいのです。「今日久しぶりに友達と電話で話した。楽しかった。」、「今日近所の子どもが笑顔で挨拶してくれた。可愛かった。」「今日道端できれいな花を見つけた」等。感謝は感謝を呼び覚まします。一つ嬉しいことを思い出したらそれは一つにとどまらず必ず二つ三つ四つと出てきます。でもそれは必ず記録してください。思い出すだけでは忘れることも多いのです。そしてそれを数か月後読み返してみてください。そうすれば、ああこんなにたくさん楽しいこと嬉しいことがあったのだ。自分の人生まんざらでもないなあ、ということに気づくでしょう。そうすれば希望ということの輪郭が少しずつ浮かび上がってくるでしょう。多少時間はかかるかもしれません。でも感謝だけが困難を希望に変えてくれることも同時に学ぶことができるでしょう。

 皆さん感謝日記をつけてください。

      (赤波江 豊 神父)

今日の福音朗読

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