12月20日待降節第4主日
赤波江神父の黙想のヒント

 「私は主のはしためです。お言葉通り、この身になりますように。」(ルカ1:38)

 マリアは大天使ガブリエルから聖霊によって救い主を身ごもったことを告げられたとき、まだ結婚していませんでした。当時結婚していない女性が妊娠していることが発覚すれば石殺しに合わなければならず、マリアの前には大変恐ろしい状況が待ち構えていました。そのような状況の中で「私は主のはしためです。お言葉通り、この身になりますように。」と答え、神の導きを信じました。この聖書の言葉の原文の意味は、本当は嫌だけど神様から言われたから仕方なしに従います、という消極的なものではなく、神様がそう言われるのならぜひ実現しますようにという積極的な応答なのですね。そしてこのマリアの応答は実は「アーメン」なのですね。

 アーメンという言葉はヘブライ語で「そうです」「然り」「そうなりますように」という創造主に対する絶対的な信頼を表す言葉で、私たちが日々の祈りの中で、そしてミサの中で絶えず繰り返している言葉です。マリアの応答は単に個人的な信仰ではなく、それまで救い主を待望していたヘブライの民を代表する信仰告白であり、実は私たちの人生の指針となる言葉なのですね。私たちの人生もアーメンでなければならない。即ち、私たちはいつも人生をよしとして肯定しながら歩み続けなければならない。間違っても自分の人生を否定してはいけない。確かに私たちの人生には大きな障害と困難がつきものですが、それを等身大で受け止め、そこに人生を生きる意味を見出して、それをステップとしてまた歩み続けなければならない。

 私たちもマリアとともに救い主の降誕を待ち望みながら、いつも人生に対して「アーメン」と肯定し、自分の人生を信じながら歩んでいきましょう。

      (赤波江 豊 神父)

今日の福音朗読

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