6月13日年間第11主日
赤波江神父の黙想のヒント

 「土はひとりでに実を結ばせる」(マルコ4:28)

 今日の福音のテーマは神の国で、イエスは種蒔きとからし種のたとえを用いています。わたしもからし種を見たことがありますが、あまりにも小さくて本当に生命が宿っているのか疑問に思うくらいです。そしてそのからし種は知らず知らずのうちに生長し、気が付いたら見上げるくらい大きくなっている。わたしたちにとってこのからし種は何を意味するのでしょうか。それは日常生活の単純さ、平凡さを意味します。わたしたちの毎日の生活は大抵同じことの繰り返しです。でもその平凡さの中に偉大な生長の秘訣が隠されています。

 皆さん感謝日記をつけてください。わたしたちの毎日の生活は一見単純平凡に見えても必ず何かいいこと嬉しいことがあるはずです。それを日記に書いてみてください。何でもいいのです。友人との電話、いい散歩や買い物、おいしい食事、いい人との出会いなど。そして一つ嬉しいことを見つけると、不思議なことに必ず二つ三つ四つと出てきます。感謝は感謝を呼び覚まします。そしてその日記を数か月くらいしてから読み返してみてください。きっと「ああ、こんなにたくさん嬉しいことやいいことがあったのだ。自分の人生こんなに幸せに満ちあふれているのだ。どんなことにも『当たり前』のことは何もない。」と思われることでしょう。大事なことは、このような喜ばしいことや楽しいことは必ず記録しなければならないということです。その時は嬉しいと感じても、記録しなければすぐ忘れてしまいます。感謝すべきことはそのつど意識しなければなりません。そうしないと必ず不平不満が先行してしまいます。感謝は決して先送りしないようにしましょう。感謝は感謝を呼び覚ましますが、同時に不平不満も不平不満を呼び覚まします。わたしたちは感謝を選択するのか、不平不満のままでいいのかどちらかです。

 皆さん感謝日記をつけましょう。感謝日記をつけ始めたときから人生のターニングポイントが始まります。感謝の思いは心に刻まれた記念碑だからです。

      (赤波江 豊 神父)

今日の福音朗読

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