7月18日年間第16主日
赤波江神父の黙想のヒント

 「キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、ご自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。」(エフェソ2:14)

 エフェソの町ではユダヤ人と異邦人の対立がありましたが、パウロは3年間宣教して教会を育てた結果、ユダヤ人と異邦人を隔てていた壁がキリストによって取り払われたことを強調しています。「お互いの違い」は場合によったら誤解対立を生むこともありますが、本当の良さはお互いの違いの中から生まれるのですね。聖書に記されている教会内の最初の対立はヘブライ語を話すユダヤ人とギリシャ語を話すユダヤ人の対立でした。しかしその結果、解決策としてステファノをはじめ7人の助祭が任命されて新しい奉仕職が生まれ、教会はますます発展していきました。(使徒言行録6:1~7参照)

 ですから「お互いの違い」というものは、家庭でも教会でも社会でも乗り越えなければならない壁ではなく、より良いものが生まれる豊かな土壌であり、出発点であり、喜びでなければならないのですね。

 今日本の社会は多くの外国人労働者によって支えられているのと同じように、日本の教会も外国人信徒によって支えられています。外国人が増えれば問題対立も生じますが、教会の豊かさはこの違いの中から生まれます。確かに日本人受洗者は増えませんが、外国人信徒の増加によって神の民は増えています。外国人信徒数はもうすでに日本人信徒数を越えていると言われています。ですから教会は今大きなチャレンジのときを迎えています。

 「ハイブリッド」という言葉があります。ガソリンで動くモーターと、電気で動くモーターを搭載したハイブリッドカーをすぐ連想しますが、本来は異種のものを組み合わせて生み出されるモノ、あるいは生き物を意味します。それならば教会こそハイブリッドでなければならないのですね。聖霊はわたしたちにいつも新しさを求めます。その新しさに気づかせてくれるのはいつの時代でも「お互いの違い」です。教会という車にはいつも新しいエンジンが必要です。「お互いの違い」という新しいエンジンを搭載して今日も爽快に走りましょう。

      (赤波江 豊 神父)

今日の福音朗読

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