10月3日年間第27主日
赤波江神父の黙想のヒント

 「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう。」(創世記2:18)

 神は人間を男と女に造られました。男女は人権の上では同じですが、実際は様々な面で違います。それは体の構造だけではなく、ものの考え方、感じ方、出来事に対する反応の仕方も違うし、究極においては神のとらえ方も違うと言えるのですね。

 ひとつの例として、妻は小さなことを大切にし、夫に対してそれに反応してほしいのですね。例えば心を込めて料理を作ったら、一言美味しいと言ってほしいし、たまにテーブルにきれいな花を飾ったら、きれいだねと言ってほしい、新しい服を買ってきたら、なかなか似合うよと言ってほしい。私は教会でお母さんたちからよく愚痴を聞かされます。「うちの旦那ときたら、せっかく食事をつくっても、うんともすんとも言わずただ黙々と食べるだけなんだから…、新しい服を買ってきても一週間くらいしてやっと、『ああそれ買ってきたのか』としか言わないんです」等々。でも男にも言い分があります。ある心理学者によると夫が妻を愛して心から妻と一体になっているときは、うわの空や鈍感になりやすいそうです。だから妻に対して注意をはらうこと忘れてしまいがちになりやすいのですね。妻はこのことを理解してあげて、夫が黙っているからと言って決して妻に関心がないのだと思わないでください。でもやはり可能な限り、夫は妻がしたことに対して、いいね、美味しいね、きれいだね、と言ってあげてくださいね。ついでに、夫が決して忘れてはならない記念日があります。それは結婚記念日と妻の誕生日です…。

 ところで、夫でも妻でも必ず口に出して言わなければならない言葉、それは「ありがとう」と「ごめんなさい」です。「ありがとう」は口に出して初めて「ありがとう」なのです。心の中で感謝しても、口に出して言わなければありがとうにはならないのですね。ある女性は語ってくれました。「亡くなった私の主人は何をしてありがとうと言う人でした。新聞持っていったら『ありがとう』、灰皿持っていったら『ありがとう』、醬油を持っていったら『ありがとう』などと。」実際その夫婦は本当に仲の良い夫婦でした。また謝るべきときも必ず「ごめんなさい」を忘れないようにしましょう。ただ一言、(笑いながらでも)「ごめんなさい」と言えばいいのに、それがないために喧嘩にする必要がないことまでも喧嘩にしてしまうことがよくあるのですね。ちなみに、いつも「ありがとう」と言う人は「ごめんなさい」も自然に出ます。「ありがとう」や「ごめんなさい」なんて習慣で言ってるだけだ、などと決して考えないでください。習慣が人格を形成するのですから。

 今日はこれくらいにしておきます。このような話をもっと聞きたかったら私の結婚講座に来てください。結婚講座は結婚前のカップルだけではなく、何年も結婚生活を経験した夫婦にこそ必要なのですから。

      (赤波江 豊 神父)

今日の福音朗読

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