6月5日 聖霊降臨の主日
赤波江神父の黙想のヒント

「聖霊来てください。あなたの光の輝きで、わたしたちを照らしてください。」(聖霊の続唱・典礼聖歌352)

 復活したイエスは天に昇り、やがて弟子たちの上に聖霊を送られました。この聖霊降臨によって、あれほど弱かった弟子たちの人間性は180度変わり、力強い宣教者となって世界中に出かけていきました。このように聖霊の働きは私たちを前進させ、若返らせることです。聖霊は、御子イエスや御父のように私たちが祈る対象というよりは、むしろ私たちの心を訪れて希望を注いで祈らせて、私たちを御子イエスへと、御父へと向かわせてくださるお方です。ですから、聖霊に対する祈りはただ一つ、それは「聖霊来てください」なのです。この祈りは今日聖霊の続唱でささげられます。この祈りは、何も日本で作られたものではなく、Veni, Sancte Spiritusとして教会で昔からささげられてきた祈りなのです。この歌は「聖霊来てください。あなたの光の輝きで私たちを照らしてください」で始まりますが、この歌詞の内容は光、水、風のイメージを用いながら私たちに、そして教会に若さと希望をもたらすもので、「教会の青春賛歌」と言っても過言ではないでしょう。青春というと、自分にはもはや関係ないと、一笑に付す年配の方もいるかもしれません。しかし青春とは年齢で推し量れるものではないのです。

 「青春」というサミュエル・ウルマンの詩があります。この詩はマッカーサーの座右の銘で、戦後彼の執務室に掲げてあったものをある人が見て感動して翻訳し、やがてそれが松下幸之助の目にとまって紹介され、それ以来多くの日本人の心をつかんできました。この詩を聖霊の続唱と重ねて読んでみてください。

 「青春とは 人生のある時期を言うのではなく 心の持ち方を言うのだ
揺るがない意志 豊かな想像力 燃えるような情熱
臆することを斥ける果敢な勇気 安易を拒む飽くなき冒険心
こういう心の持ち方を青春と言うのだ
年を重ねるだけでは人は老いない
理想を失う時に初めて老いが訪れる
歳月は皮膚のしわを刻むだけだが 情熱を失う時に精神は萎む
思い煩い 疑惑 自信の喪失 恐怖 失望
このようなものこそ 意気を萎えさせ
精神を塵芥と朽ちさせる長い年月のようなものだ
70歳であろうと 16歳であろうと 人は持ち得るのだ
それは 驚異への素朴な愛慕心 夜空の星
その輝きにも似た 美しい出来事に対する憧憬
事態に直面した時の毅然とした挑戦
未知なるものへの少年のような好奇心 人生への歓喜と興味
人は信念とともに若く 疑惑とともに老いる
自信とともに若く 恐怖とともに老いる
希望を見つめる限り若く 失望とともに老いて行く
大自然から 人から 創造主から語りかけられる美と喜悦 勇気と壮大さと力
このような声に耳を傾けている限り 人の若さは失われない
こうしたささやきが全て聞こえなくなり 心の奥まで悲嘆の雪が吹き込み
冷たい皮肉で凍てついてしまった時
初めて人は全く老い込んでしまうのだ」

 この詩はウルマンが70歳の時の作です。皆さん、頭を上げましょう。

      (赤波江 豊 神父)

今日の福音朗読

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