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第3回 終末期を考える
「超高齢社会での終末期医療に思う」

9月22日(日)

主日ミサ終了後、会議室で20数名が出席し第3回の集まりがありました。

最初に9月10日に帰天なさったルカ高山哲郎さんのために皆でお祈りを捧げました。高山さんは第1回第2回とお元気に出席して下さっていたので神様はいつお呼びになるかわからないことを身近に考えることが出来ました。
 

今回は最終回なので今までのまとめとして出席者が体験談や谷尻先生への質問など活発に話されました。先生からは、これからの医療は在宅医療が主軸になるとのお話でケアを受ける人は主治医、ケア・マネ−ジャーの助けが不可欠であること、家族は苦しみを共にして寄りそう生活をする…病人と家族の精神的安定のためには心のケアの専門家の育成が大事であること等々お話し頂きました。
 

    第1回(2月10日)「看取り体験と医療現場から」

    第2回(6月2日) 「高齢社会と終末期医療」
 

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また今回の標題のメッセージを谷尻先生から頂きましたのでご覧ください。
 

 日本人の平均寿命が2012年、男女ともに前年より延びて女性は長寿世界一に返り咲いたと この夏に新聞報道がありました。さらに日本人の寿命はまだ延びる余地があるとされています。

 その国の人口のうちで高齢者(65歳以上)が7%以上を占める社会を高齢化社会、14%以上になると高齢社会、そして21%を超えると超高齢社会と言います。欧米諸国が高齢化社会から高齢社会を迎えるのに100年近くかかっているのに対し、日本はわずか25年間で到達しました。そして、すでに超高齢社会に突入しており、今後も毎年100万人ずつ高齢者がふえてゆくとされています。

 健康寿命が延び、元気な人ばかりであればいいのですが、高齢者は生活習慣がもとで様々な病気を発症しやすい状態になっています。そのうえ すでに いくつもの慢性の病気を持ち合わせている場合が多く、一度 発病すると重症化しやすく入院治療も長引く傾向にあります。

 高齢者の多くは、住み慣れた自宅で最期を迎えたいと希望されているのに、日本では8割近くの方が病院で亡くなられています。しかし、超高齢社会画を迎えた日本の社会情勢から、これまでのような病院を中心とした医療体制だけでは高齢者への対応は困難となります。今後は在宅を中心とした医療や介護が更に必要とされ、在宅での看取りなども増えてくると考えられます。

 また、人の寿命が延びることによって 死にゆく過程も長期化するようになり、終末期の医療 殊に 延命治療などで活発な議論が行われるようになってきました。そのひとつに胃ろうがあります。最近、胃ろうを造設された高齢者の終末期の悲惨な姿などが、テレビや新聞などで大きくとりあげられるようになりました。そして、“人生の終末をどのように過ごすか”などをテーマに各地で講演会が開かれたり、終末期医療についての本が沢山 出版され大きな関心を集めています。

 日本老年医学会では、「高齢者の医療とケアにおいては、苦痛の緩和と生活の質を高めることが最も大切なことで最大限に配慮されるべきである」として、「患者本人の尊厳を損なったり苦痛を増大させたりする可能性があるときは治療を差し控えたり治療からの撤退も選択肢と考える」という立場表明がなされ、多くの医療関係者から支持されるようになってきています。

 尊厳ある死を望むなら、自分の意志がはっきり伝えられる間に 自らの意志で、延命治療を行わないように明文化しておくこと(リビング・ウィル)や終末期での治療の選択だけでなく 過ごし方などを事前に話し合い書面に残すこと(事前指示書)などを作っておくことも必要かもしれません。

 この機会に“いのち”について もう一度 見直しておきたいものです。

以上
 

市民公開講座のご案内
日本臨床内科医学会主催
 

全ての人に訪れるその時  〜看取り〜
 
2013年10月14日(月・祝) 15:00〜17:00
 
      神戸芸術センター

 

詳しいことは住吉教会パウロ三木ホールのホワイトボードの下の台に案内のチラシがおいてありますのでご覧ください。(入場無料、要申込み)

 

 

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